NewtとNuxt3を利用して、問い合わせフォームを作成する

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Table of contents

  1. 記事内で使用している主なソフトウェアのバージョン
  2. 前提条件
  3. 概要
  4. 1. Form Appを作成する
  5. 1-1. Form Appの追加
  6. 1-2. フォームの作成
  7. 2. Nuxt3でシンプルな問い合わせフォームを作成する
  8. 2-1. HTMLフォームの追加
  9. 2-2. 自動返信メールの設定
  10. 2-3. 受信通知メールの設定
  11. 2-4. 挙動の確認
  12. 3. バリデーションを追加する
  13. 3-1. input要素の属性を利用したバリデーション
  14. 3-2. JavaScriptを利用したバリデーション
  15. 4. スパム対策を実装する
  16. 4-1. サイトキーとシークレットキーの取得
  17. 4-2. シークレットキーの登録
  18. 4-3. Nuxtでの設定
  19. 5. リダイレクトをカスタマイズする
  20. 5-1. 送信成功ページ・送信失敗ページを用意する
  21. 5-2. リダイレクトを設定する

このチュートリアルでは、Newtの Form AppNuxt3 を利用して、問い合わせフォームを作成する手順を紹介します。

記事内で使用している主なソフトウェアのバージョン

  • Nuxt(nuxt): 3.2.0
  • VeeValidate(vee-validate): 4.7.4
  • Vue reCAPTCHA-v3(vue-recaptcha-v3): 2.0.1

前提条件

  • Nuxt3のプロジェクトを作成済みであること

Nuxt3のセットアップについて知りたい場合は、以下のドキュメントをご確認ください。

概要

Nuxt3で問い合わせフォームを作成し、Newtで問い合わせデータを確認できるようにします。
はじめに、自動返信・受信通知のついたシンプルなフォームを作成し、その後でバリデーション・スパム対策・リダイレクトの処理を実装しながら、カスタマイズの方法を学習していきます。
※ ここではスタイルについては扱いません。スタイルについて確認したい方は、Next.jsのコードとなりますが、問い合わせ用のテンプレート newt-starter-nextjs-contact を用意しているので、そちらのコードをご確認ください。

1. Form Appを作成する

はじめに、NewtでForm Appを作成します。

1-1. Form Appの追加

「Appを追加」をクリックして「タイプを選択して追加」を選択します。
form-tutorial1.jpg

「Form App」を選択して「追加」をクリックします。
form-tutorial2.jpg

App名・App UID・Appアイコンを設定して「追加」をクリックします。
form-tutorial3.jpg

これで「Contact」という名前のForm Appが追加されました。
form-tutorial4.jpg

1-2. フォームの作成

次にフォームを作成します。「フォームを作成」ボタンをクリックし、名前を付けてフォームを作成します。
form-tutorial5.jpg

作成後に表示されるエンドポイントは、2-1で利用します。
form-tutorial6.jpg

2. Nuxt3でシンプルな問い合わせフォームを作成する

続いて、Nuxt3でシンプルな問い合わせフォームを作成しましょう。
ここでは /contact というパスにアクセスした時に、問い合わせフォームを表示するようにします。

2-1. HTMLフォームの追加

pages/contact.vue を作成し、以下のように記述します。
formaction 属性に設定している https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx の値については、1-2で確認したエンドポイントの値に置き換えてください。

<!-- pages/contact.vue -->

<script lang="ts" setup>
useHead({
  title: 'Newt・Nuxtフォーム',
  meta: [
    { name: 'description', content: 'NewtとNuxtを利用した問い合わせフォームです' }
  ]
})
</script>

<template>
  <div>
    <h1>Contact us</h1>
    <form action="https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx" method="post">
      <label for="name">Name</label>
      <input id="name" name="name">
      <label for="email">Email</label>
      <input id="email" name="email" type="email">
      <label for="message">Message</label>
      <textarea id="message" name="message" />
      <button type="submit">
        Submit
      </button>
    </form>
  </div>
</template>

各属性について説明します。

label要素のfor属性と、input要素・textarea要素のid属性
label要素for 属性は、input要素textarea要素id 属性と一致するように設定します。

input要素・textarea要素のname属性
input要素・textarea要素のnameで設定された値をもとに、投稿データのスキーマが決まります。例えば上記の例では、nameemailmessage フィールドを持ったスキーマが作成されます。
詳細については、フィールドの仕様 のドキュメントをご確認ください。

input要素のtype属性
お好みの入力形式に応じて、inputの型 を選択してください。デフォルトでは text となります。

これで http://localhost:3000/contact にアクセスすると、以下のような問い合わせフォームが作成できました。
※ スタイルについてはお好みで設定してください
nuxt3-form1.png

2-2. 自動返信メールの設定

自動返信メール の設定をします。自動返信メールを設定することで、投稿を送信したエンドユーザーに対して、設定した内容のメールを自動で送信できます。

※ Newtは自動返信メールの送信先メールアドレスを検出するために email フィールドを使います。input要素のname属性に email を指定し、エンドユーザーのメールアドレスが入力されるようにしてください。

「App設定」から該当のフォームをクリックし、「メール設定」を選択します。
「自動返信メールを有効にする」にチェックを入れ、件名と本文を入力し、「保存」をクリックします。

form-tutorial7.jpg

自動返信メールでは {submission.name} のように記述することで、メールの件名や本文に、投稿データの内容を埋め込めます。
2-1で、input要素・textarea要素のname属性に nameemailmessage を指定したので、ここでは {submission.name}{submission.email}{submission.message} を利用できます。

2-3. 受信通知メールの設定

受信通知メール の設定をします。受信通知メールを設定することで、エンドユーザーから新しいメッセージを受信した際に、メールで通知を受け取れます。

「App設定」から該当のフォームをクリックし、「メール設定」を選択します。
「受信通知メールを有効にする」にチェックを入れ、通知を受け取るメールアドレス・件名・本文を設定し、「保存」をクリックします。

form-tutorial8.jpg

受信通知メールでも、自動返信メールと同様に、投稿データの内容を埋め込めます。

2-4. 挙動の確認

これで、シンプルな問い合わせフォームを作成できました。
実際に動かして、挙動を確認してみましょう。

まず、開発サーバーを立ち上げて、問い合わせフォームを表示します。ここでは http://localhost:3000/contact にアクセスします。
適当な内容を入力して送信すればよいですが、設定したEmail(name属性に email を指定した入力値)に自動返信メールが届くので、ご自身のメールアドレスを入力するよう気をつけてください。
nuxt3-form2.png

送信が成功すると、以下の画面が表示されます。
form-tutorial9.png

管理画面では、以下のようにデータが確認できます。
form-tutorial10.jpg

次に自動返信メールを確認します。以下のようなメールが飛んでいれば成功です。
form-tutorial11.png

最後に受信通知メールを確認します。以下のようなメールが飛んでいれば成功です。
form-tutorial12.png

これでシンプルなフォームの作成・自動返信メールの設定・受信通知メールの設定ができました。ここからはフォームのカスタマイズをしながら、より高度なフォームの作成方法を学んでいきましょう。

3. バリデーションを追加する

クライアントサイドのバリデーションについて、以下の順で紹介します。

  • input要素の属性を利用したバリデーション
  • JavaScriptを利用したバリデーション(VeeValidateを利用したバリデーション)

3-1. input要素の属性を利用したバリデーション

HTML5のフォームバリデーションを利用することで、JavaScriptなしでバリデーションを実行できます。よく使われるものについては HTML5のフォームバリデーション をご確認ください。

例えば、name を必須にしたい場合は、以下のように required を指定します。

<input id="name" name="name" required />

もし name を指定せず、送信を実行した場合は、以下のように表示されます。
nuxt3-form3.png

3-2. JavaScriptを利用したバリデーション

HTMLネイティブのフォームバリデーションでは足りない場合、JavaScriptを利用することで、より柔軟なバリデーションを実行できます。
ここでは、バリデーションのタイミングを変え、さらにエラーメッセージをカスタマイズしてみましょう。

JavaScriptを利用してフォームを送信する場合(Acceptヘッダーでapplication/jsonを指定してレスポンスをJSONデータとして受け取る場合)、ご自身で送信後の表示を制御していただくことになります。
デフォルトのThanksページ・Errorページへのリダイレクトや カスタムリダイレクト は行われなくなりますので、ご注意ください。

ここでは VeeValidate を利用してバリデーションを行います。まずは vee-validate をインストールしましょう。

npm install vee-validate
# or
yarn add vee-validate

続いて、以下のように pages/contact.vue を修正します。
fetch の リソースとして設定されている https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx の値については、1-2で確認したエンドポイントの値に置き換えてください。

<!-- pages/contact.vue -->

<script lang="ts" setup>
import { useForm } from 'vee-validate'

const schema = {
  name (value: string) {
    if (!value) {
      return 'Name is required'
    }
    return true
  }
}
const { useFieldModel, handleSubmit, errors } = useForm({
  validationSchema: schema
})
const [name, email, message] = useFieldModel(['name', 'email', 'message'])

const onSubmit = handleSubmit(async (values) => {
  const formData = new FormData()
  Object.entries(values).forEach(([key, value]) => {
    formData.append(key, value)
  })

  await fetch('https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx', {
    method: 'POST',
    body: formData,
    headers: {
      Accept: 'application/json'
    }
  })
})

useHead({
  title: 'Newt・Nuxtフォーム',
  meta: [
    { name: 'description', content: 'NewtとNuxtを利用した問い合わせフォームです' }
  ]
})
</script>

<template>
  <div>
    <h1>Contact us</h1>
    <form @submit="onSubmit">
      <label for="name">Name*</label>
      <input id="name" v-model="name" name="name" aria-describedby="error-name-required">
      <span v-if="errors.name" id="error-name-required" aria-live="assertive">
        {{ errors.name }}
      </span>
      <label for="email">Email</label>
      <input id="email" v-model="email" name="email" type="email">
      <label for="message">Message</label>
      <textarea id="message" v-model="message" name="message" />
      <button type="submit">
        Submit
      </button>
    </form>
  </div>
</template>

以下のことを行っています。

  • validationSchema に渡す schema で、name がない場合に Name is required というエラーメッセージを設定しています
  • 入力されたフォームのデータは handleSubmit 関数で values として利用できます
  • FormData を利用して、送信するデータ formData を作成します
  • フェッチ API を利用して、1-2で確認したエンドポイントにデータを送ります。この時、Acceptヘッダーに 'application/json' を指定します

また、以下の部分で validationSchema で設定したエラーメッセージを出しています。(ここでは name がない場合に Name is required というエラーメッセージを出しています)
validationSchema を利用して、様々なバリデーションが設定できるので、ぜひお好きなバリデーションをお試しください。

<label for="name">Name*</label>
<input id="name" v-model="name" name="name" aria-describedby="error-name-required">
<span v-if="errors.name" id="error-name-required" aria-live="assertive">
  {{ errors.name }}
</span>

以下のことを確認します。

  • 入力変更があったタイミングでバリデーションが実行されること
  • name が入力されていない場合に Name is required というエラーメッセージが出ること

nuxt3-form4.png

4. スパム対策を実装する

続いて、スパム対策 として Google reCAPTCHA v3 の設置方法について説明します。

4-1. サイトキーとシークレットキーの取得

Google reCAPTHAのコンソール にアクセスし、新しいサイトを登録します。

reCAPTCHAタイプは reCAPTCHA v3 を選択します。
ここではローカル環境でのテストを行うので、ドメインには localhost を追加します。本番環境で設定したい場合は、reCAPTCHAを導入したいサイトのドメインを設定してください。
form-tutorial13.jpg

全ての項目を入力して「送信」をクリックすると、サイトキーとシークレットキーが表示されます。
form-tutorial14.jpg

4-2. シークレットキーの登録

Newtの管理画面にアクセスし、「App設定」を開きます。該当のフォームをクリックし、「フォーム設定」を選択します。
「スパム対策」のセクションより、「Google reCAPTCHA v3を有効にする」にチェックを入れ、4-1で取得したシークレットキーを貼り付けて保存します。
spam-filtering1.png

4-3. Nuxtでの設定

最後にNuxtでの設定を行います。ここでは Vue reCAPTCHA-v3 を用いて、設定します。まずはvue-recaptcha-v3をインストールしましょう。

npm install vue-recaptcha-v3
# or
yarn add vue-recaptcha-v3

3-2で作成した pages/contact.vue を、以下のように修正します。
siteKey に設定している reCAPTCHA_site_key のところは、4-1で取得したサイトキーを入力してください。

<script lang="ts" setup>
import { useForm } from 'vee-validate'
+ import { VueReCaptcha, useReCaptcha } from 'vue-recaptcha-v3'

const schema = {
  name (value: string) {
    if (!value) {
      return 'Name is required'
    }
    return true
  }
}
const { useFieldModel, handleSubmit, errors } = useForm({
  validationSchema: schema
})
const [name, email, message] = useFieldModel(['name', 'email', 'message'])

+ const { vueApp } = useNuxtApp()
+ vueApp.use(VueReCaptcha, {
+   siteKey: 'reCAPTCHA_site_key',
+   loaderOptions: {
+     renderParameters: {
+       hl: 'ja'
+     }
+   }
+ })
+ const recaptchaInstance = useReCaptcha()

const onSubmit = handleSubmit(async (values) => {
+ await recaptchaInstance?.recaptchaLoaded()
+ const token = await recaptchaInstance?.executeRecaptcha('submit')
+ values.googleReCaptchaToken = token

  const formData = new FormData()
  Object.entries(values).forEach(([key, value]) => {
    formData.append(key, value)
  })

  await fetch('https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx', {
    method: 'POST',
    body: formData,
    headers: {
      Accept: 'application/json'
    }
  })
})

useHead({
  title: 'Newt・Nuxtフォーム',
  meta: [
    { name: 'description', content: 'NewtとNuxtを利用した問い合わせフォームです' }
  ]
})
</script>

<template>
  (省略)
</template>

以下のことを行っています。

  • VueReCaptchauseReCaptcha をインポートします
  • VueReCaptchaオプション として、siteKeyloaderOptions を設定しています。ここでは hlja を設定しているため、問い合わせフォームの右下に表示されるreCAPTCHAのバッジが日本語になります。他の言語で設定したい方は、Googleの Language Codes のドキュメントを参考に設定してください
  • googleReCaptchaToken というフィールド名でトークンを送信します

これでGoogle reCAPTCHA v3によるスパム対策が実装できました。

form-tutorial15.jpg

もし、バッジを非表示にしたい場合、loaderOptions.autoHideBadgetrue にすると非表示になりますが、この操作はGoogle公式のガイドに従った場合のみ許可されます。
詳細は、Googleの reCAPTCHA バッジを非表示にします。どうすればよいですか? のドキュメントをご確認ください。

5. リダイレクトをカスタマイズする

最後にフォーム送信後のリダイレクトをカスタマイズします。
送信が成功した場合のページと、失敗した場合のページを用意して、送信結果に応じてリダイレクトしてみましょう。

5-1. 送信成功ページ・送信失敗ページを用意する

送信成功ページとして、以下を用意します。
page/thanks.vue を作成します。

<!-- pages/thanks.vue -->

<script lang="ts" setup>
useHead({
  title: 'Thank you',
  meta: [
    { name: 'description', content: '問い合わせの送信が成功しました' }
  ]
})
</script>

<template>
  <div className="Result">
    <h1>Thank you!</h1>
    <div>
      <NuxtLink href="/contact">
        Back to Previous Page
      </NuxtLink>
    </div>
  </div>
</template>

送信失敗ページとして、以下を用意します。
page/error.vue を作成します。

<!-- pages/error.vue -->

<script lang="ts" setup>
useHead({
  title: 'Error',
  meta: [
    { name: 'description', content: '問い合わせの送信が失敗しました' }
  ]
})
</script>

<template>
  <div className="Result">
    <h1>Error!</h1>
    <div>
      <NuxtLink href="/contact">
        Back to Previous Page
      </NuxtLink>
    </div>
  </div>
</template>

5-2. リダイレクトを設定する

page/contact.vue を以下のように修正します。
fetch の リソースとして設定されている https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx の値については、1-2で確認したエンドポイントの値に置き換えてください。

<script lang="ts" setup>
(省略)

const onSubmit = handleSubmit(async (values) => {
  await recaptchaInstance?.recaptchaLoaded()
  const token = await recaptchaInstance?.executeRecaptcha('submit')
  values.googleReCaptchaToken = token

  const formData = new FormData()
  Object.entries(values).forEach(([key, value]) => {
    formData.append(key, value)
  })

- await fetch('https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx', {
-   method: 'POST',
-   body: formData,
-   headers: {
-     Accept: 'application/json'
-   }
- })
+ try {
+   const response = await fetch('https://xxxxxx.form.newt.so/v1/xxxxxx', {
+     method: 'POST',
+     body: formData,
+     headers: {
+       Accept: 'application/json'
+     }
+   })
+
+   if (response.ok) {
+     await navigateTo('/thanks')
+   } else {
+     await navigateTo('/error')
+   }
+ } catch (err) {
+   await navigateTo('/error')
+ }
})

(省略)
</script>

<template>
  (省略)
</template>

送信が成功した場合(response.ok がtrueの場合)は navigateTo を利用して /thanks にリダイレクトし、送信成功ページを表示しています。
送信が失敗した場合(response.ok がfalseの場合、またはエラーが発生した場合)は /error にリダイレクトし、送信失敗ページを表示しています。

これでリダイレクトをカスタマイズすることができました。

以上で、すべてのステップが終了となります。

Form Appでは、他にもさまざまな機能があるので、興味のある方はぜひ以下のドキュメントもご覧ください。

NewtMade in Newt