Newtリリースに寄せて

WordPressの次を担うサービスを作る

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はじめまして。

私達は、2021年4月に創業したスタートアップ企業です。現在は、東京都の有楽町を拠点に3名のメンバーでヘッドレスCMS「Newt(ニュート)」を開発しています。私達は、プレイドというSaaS企業で共に仕事をしてきた仲間で、この新しいプロダクトについてのアイデアで意気投合し会社を創業しました。

今回は、2022年3月8日のNewt無料版リリースに寄せて、私達がこれから挑戦しようとしているテーマについて、少しお話したいと思っています。

Creating the Next WordPress.

私たちのミッションは 「Creating the Next WordPress(次のWordPressをつくる)」です。

その言葉の通り、私たちはWordPressを置き換えることのできる新たなプロダクトを作り出し、現在のWordPressのように世界中で広く利用されるものへと成長させたいと考えています。
恐らく、これはかなり難易度の高いミッションで、実現に至るまでにどれほどの時間と労力を要するのか、私達自身も分かっていません。少なくとも10年はかかるでしょうか。

しかし、私たちはこのミッションに対して本気で取り組むことにしました。

私達にとってのWordPress

WordPressは、2003年に初版がリリースされたオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。2022年現在、WordPressは世界で圧倒的No.1のシェアを誇るCMSとなっています。

W3Techsによると、世界中のWebサイトの43.2%がWordPressによって作られておりCMS市場に限ればそのシェアは65%にも昇ることが分かっています(2022年3月8日現在)。Web制作に関わるソフトウェアで、WordPressほど世界に広く浸透しているソフトウェアは他にないでしょう。

何故、WordPressはこれほどまでの成功を収めることができたのでしょうか。私達は、WordPressが現在の地位を獲得するに至った要因として、次の3つのポイントが挙げられると考えています。

1. テーマとプラグインによるノーコード性

WordPressには、テーマとプラグインという2つの特徴的な仕組みが備えられています。これら2つの共通点は、 ユーザーがコードを書くことなく目的を達成できる という点にあります。ここで言う「目的」とは、Webサイトを作ることであったり、Webサイトに何かしらの機能を付け加えることなどを意味します。

テーマやプラグインを使えば、たったの数クリックで、プロのデザイナーが作成した美しいデザインのウェブサイトを構築したり、既存のWebサイトにEC機能を実装したりすることができます。

このように、WordPressは現在のノーコードブームが到来する何年も前から、ノーコードでウェブサイトを作るという世界観を実現してきました。そして、このWordPressが持つノーコード性は、主にコードを書かない非開発者の人々に大きな価値を提供し、そうした人々から大きな支持を得ていきました。

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2. コードによるカスタマイズ性

WordPressでは、ユーザーがPHPやHTML、CSS、JavaScriptといった コードを書くことによって、Webサイト自体はもちろんのこと、コンテンツ管理画面やデータモデルに至るまで、あらゆるものを自在にカスタマイズすることができます

また、開発者はコードを書くことによってテーマやプラグインを開発し、それを世界中の人々に配布・販売することもできます。

こうした「コードを書くことよるカスタマイズ性の高さ」や、それを「配布するための汎用的な仕組み」は、開発者を大きくエンパワメントしました。そして、そこにWordPressのオープンソースソフトウェアとしての性格も合わさり、WordPressは開発者から強い支持を得ていくこととなります。

3. クロスサイド・ネットワーク効果

クロスサイド・ネットワーク効果とは、大きく性格の異なるいくつかのグループの間で生じるネットワーク効果のことを指します。この言葉はマーケットプレイスやマッチング系のサービスにおいて語られることが多い言葉ですが、WordPressはWebサイトを作るためのソフトウェアでありながら、強いクロスサイド・ネットワーク効果がはたらく稀有なソフトウェアである言えます。

WordPressの場合、この“大きく性格の異なるいくつかのグループ”にあたるのは「開発者」と「非開発者」の2つのグループです。

開発者グループは、WordPress上でコードを書くことによって、Webサイトを構築したりテーマやプラグインを開発・配布します。一方、非開発者は、開発者が作ったWebサイトの内容部分となるコンテンツを作成したり、開発者が作ったテーマやプラグインを購入してWebサイトを運用していきます。

この開発者と非開発者にみられる共依存関係こそが、WordPressにクロスサイド・ネットワーク効果を生み出します。そして特筆すべきは、このような関係性が企業内部のチームや3rd-partyマーケットプレイス、企業間の取引など、あらゆる場所においてあらゆる規模で見られるということです。

つまり、開発者と非開発者という大きく性格の異なる2つのユーザーグループが、様々な場所と規模で共依存関係を持ったことが、WordPressに強いクロスサイド・ネットワーク効果をもたらしました。そして、このネットワーク効果が、強力なWordPressエコシステムの構築を後押ししたのです。

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これら3つのポイントをまとめると、WordPressの成功理由について次のような見解を得ることができます。

  • WordPressは、「ノーコード性」と「コードによるカスタマイズ性」を両立したソフトウェアを提供したことで、開発者グループと非開発者グループという2つの大きく性格の異なるユーザーグループを取り込むことができた
  • この2つのグループが、様々な場所と規模で共依存関係を持ったことで、そこに強いクロスサイド・ネットワーク効果が働いた
  • クロスサイド・ネットワーク効果によって、強力なWordPressエコシステムが構築され、WordPressが世界で圧倒的なシェアを獲得する原動力となった

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こうした見解は、私達にとって非常に興味深いものでした。

ただ一言で「WordPressは時代遅れだ」と切り捨ててしまうのは簡単です。しかし、私達はWordPressから学ぶべきを学び改善するべきを改善することで、次のWordPressを作るヒントを得たいと思いました。

WordPressを取り巻く外部環境の変化

WordPressが初めて世に登場したのは2003年のことです。

初期のWordPressは、個人ブログを作るためのシンプルなソフトウェアとして開発されていましたが、現在では企業サイトやECサイトなどあらゆる種類のWebサイト構築に利用されています。WordPressは、リリースされてから現在に至る約20年という時間のなかで、ソフトウェアアップデートによって自らを変化させ、ニーズの変化を上手く捉え続けてきました。

しかし、ここ数年に見られる技術環境や市場環境の変化は、パラダイムシフトとも呼べるような大きな変化となっており、そこに追従しきれなくなったWordPressは厳しい状況に追い込まれつつあります。

技術環境:Web技術のJavaScriptシフト

WordPressが登場した2003年と2022年現在のWeb技術を比較すると、最も大きな変化をもたらしたのは「Web技術のJavaScriptシフト」ではないでしょうか。

2009年にNode.jsが登場すると、JavaScriptエコシステムは大きな成長を遂げました。世界各地で様々なJavaScript製ライブラリが開発され、それらがNPMパッケージとして世界中に配信されるようになったのです。

その中でも、特に大きかったのはReact.jsやAngular.jsをはじめとするJavaScript製UIフレームワークの登場でしょう。これらのフレームワークは、UI開発における効率性や開発者体験を著しく向上させ、より高度でリッチな表現力を持つWebアプリケーションの開発を容易なものとしました。

WordPress最盛期の世界では、PHP等で動作するサーバープログラムがビュー(UI)をレンダリングし、JavaScriptはUIにちょっとした動きをつけるために活用されていました。しかし、JavaScriptシフトが進んだ世界では、サーバーはAPIでデータを供給することに徹し、アプリケーションにおけるルーティングやビューのレンダリング等の多くの責務をフロントエンド(JavaScript)が担うようになったのです。

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市場環境:ノーコードとヘッドレスCMSの台頭

WordPressを取り巻く市場環境にも大きな変化が起こっています。ノーコードWebサイトビルダー(以下、ノーコード)とヘッドレスCMSの台頭です。

ノーコードは、その名の通りコードを一切書くことなくブラウザ上での操作だけでWebサイトを作ることができるサービスです。WordPressでは、コードを書かずにWebサイトを作ることはできても、デザインの詳細をブラウザ操作だけで行うことはできません。ノーコードを使えば、まるでXDやSketch、Figma等のデザインツールを触っているかのような感覚で、Webサイトをデザインし公開することができます。

一方ヘッドレスCMSは、CMSにおける「コンテンツの管理と配信」というバックエンド機能に特化したサービスです。WordPressを使ってWebサイトを構築すると、開発者はWordPressが採用しているLAMP(Linux, Apache, MySQL, PHPの略)と呼ばれる技術スタックで開発することを強制されます。また、WordPressはサーバー層とプレゼンテーション層が結合された状態で提供されるため、Web以外のアプリやデバイス等に対応したマルチチャネルでのコンテンツ活用ができないという課題もありました。その点、ヘッドレスCMSが提供するのは、コンテンツ管理画面とAPIだけなので、それ以外の部分は開発者が好きな技術で開発できるようになり、マルチチャネルでのコンテンツ活用も容易になります。

これらノーコードとヘッドレスCMSの共通点は、WordPressが解決していた課題の一部を切り取り、それをWordPressよりも上手く解決することで新たな市場を開拓しているという点でしょう。

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Design for the Majority(多数派のための設計)

こうした技術環境と市場環境という2つの外部環境の大きな変化に直面し、WordPressの競争力は 相対的に 低くなってきていると言えるでしょう。

WordPressには Design for the Majority という哲学があります。これは、少数のユーザーが喜ぶ破壊的アップデートではなく、日々WordPressを利用する多くのユーザーが明日も変わらずWordPressを利用し続けられるような、後方互換性に配慮したアップデートを大切にするという考え方です。この姿勢は、多くのユーザーとWebサイトを支える「社会インフラ」としての性格を持ったソフトウェアとしては、理想的とも呼べる姿勢だと思います。

しかし、こうした保守的な姿勢を維持しながら、同時に新たな技術や市場の変化に対応していくのはとても難しいことです。WordPressは、Gutenbergと呼ばれる新しいエディタを開発するなど、時代に即した新しい技術や体験を取り入れていく動きも見せていますが、それでもゼロベースで新しく作られたものと比較してしまうと、どうしても劣ってしまう部分があります。

より良い技術やサービスが登場し、それらの恩恵を受けるユーザーが増えていけばいくほど、WordPressの競争力が相対的に低下してしまうのです。

“WordPressの次”の必要性

WordPressは、外部環境の変化によって厳しい状況に置かれつつあります。それでは、WordPressはこのまま緩やかにその歴史的な役割を終えていくだけとなるのでしょうか?

どうやら現実はそうなっていないようです。WordPressのマーケットシェアは2022年現在も上昇傾向で、2位以下には大きく水をあけています(W3Techs: Market share yearly trends for content management systems より)。WordPressは、技術環境や市場環境の大きな変化に直面し、かつてほどの競争力を保てなくなった現在においても、依然としてユーザーから必要とされ続けているのです。

「それなら、もうWordPressで良いのでは?」

これは一理あるかもしれません。ですが、私達は別の考えを持っています。

今起きているのは、WordPressという巨大なレガシーの分離(Unbundle)

WordPressの全盛期が過ぎ、ここ数年のうちにノーコードとヘッドレスCMSという新たな形態のサービスが台頭してきました。WordPressの勢いは未だ健在ですが、ノーコードやヘッドレスCMSの勢いは年々強まっています。

今起きていることは、WordPressという巨大なレガシーを分離(Unbundle)して、新たなサービスとして生まれ変わらせようとする動きです。具体的には、WordPressが内包していた「ノーコード性」と「コードによるカスタマイズ性」という2つの性質が、ノーコードWebサイトビルダーとヘッドレスCMSという新たな形態のサービスとして切り出され、それぞれが新たな市場を形成し始めているのです。

こうしたソフトウェアの分離プロセスは、ソフトウェア開発をあらゆる制約から解放しイノベーションを促進する、非常に意義のあるプロセスだと言えます。

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イノベーションが進む一方で、開発者と非開発者の間には分断が生まれている

しかし、こうしたソフトウェアの分離(Unbundle)プロセスには負の側面もあります。それは、 ソフトウェアとして統合(Bundle)されていたからこそ実現できた価値が失われてしまう ということです。

WordPressの持つ「ノーコード性」と「コードによるカスタマイズ性」という性質は、それぞれが単体として大きな価値を持ちます。しかし、WordPressにおいてそれ以上に大きな価値があったのは、それら2つの性質を1つのソフトウェア内に同居させることによって生じていた「クロスサイド・ネットワーク」という第3の性質です。このクロスサイド・ネットワークという性質は、WordPressを結節点とした強くて大きなエコシステムの形成へと繋がりました。WordPressを利用するユーザーは、そうしたエコシステムから多大なメリットを享受してきたのです。

ノーコードWebサイトビルダーやヘッドレスCMSのように、1つの性質に特化した形態のサービスでは、このクロスサイド・ネットワークを生じさせることが難しくなります。サービスを利用するユーザーの性格に偏りが生まれてしまうためです。ノーコードは、非開発者には高い価値をもたらしますが、開発者が積極的に使いたいとは思わないでしょう。逆にヘッドレスCMSは、開発者にとっては高い価値がありますが、非開発者にとっては使い物になりません。

WordPressのような一枚岩のソフトウェアから、それを分離したノーコードやヘッドレスCMSなどの新たな形態のサービスへと移行が進んでいくにつれて、開発者と非開発者の間には少しずつ分断が生まれてきていると言えるのではないでしょうか。

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再統合(Rebundle)によって、レガシーからの完全な脱却を果たす

レガシーの分離(Unbundle)によるイノベーションの推進には大きな意義があります。しかし、最終的には、それらを最適な形で再統合(Rebundle)し、レガシーが実現していた全体的価値を上回る「新たな全体的価値」を生み出すことができて、はじめて「レガシーから完全に脱却できた」と言えるのではないでしょうか。

WordPressが厳しい外部環境の変化に晒されているにも関わらず未だに世界中で利用され続けている背景には、WordPressの全体的価値を超える全体的価値を生み出す何か、つまり “WordPressの次を担うサービス” がまだ世の中には存在しないという現状があります。

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Newtは “WordPressの次” を目指す

「WordPressの次が存在しない」のであれば、 WordPressの次を自分たちで作ってしまおう 。これが私達の持つ基本的な考え方です。やや単純すぎるかもしれませんが、これを実現するためには、考えなければならないこと、作らなければならないものが沢山あります。

私達は、単なるWordPressのコピー版を新しい技術をもって作り直すのではなく、いま一度「WordPress的であること」の本質を捉え直し、私達自身が今置かれている環境や利用可能な技術などから、それをどうプロダクトに落とし込んでいくのかということを考えていきます。

そして、その第一段階として、私達は ヘッドレスCMS「Newt(ニュート)」 をリリースしました。NewtはWordPressの次を担うサービスとなるべく、今後も様々な進化を遂げていく予定です。

私達は、次の5つのポイントを意識しながらNewtを開発しています。いくつかのポイントの実現レベルはまだまだ高くありませんが、時間をかけて一歩ずつ理想に近づけていきたいと思っています。

1. 開発者にとっての体験

Newtは「開発者にとっての体験の良さ」を何よりも大切にしています。これは私達が「開発者と非開発者の両者にとって価値のあるサービスを作るためには、まずは開発者にとって価値のあるものを作る必要がある」と考えているからです。

ヘッドレスCMSはプレゼンテーション層(フロントエンド)の実装自由度の高さなどから、主に開発者に大きなメリットをもたらすサービス形態であると言われています。Newtは、そのヘッドレスCMSとしてサービスを開始していますが、これはNewtが開発者にとっての体験の良さを最重要事項として掲げている証でもあります。

また、Newtは一般的なヘッドレスCMSを超えて、バックエンド層においても開発者の皆さんにより多くの選択肢を持ってもらいながら自由に開発していただける環境を整えていきたいと考えており、その一例として、すでに外部ストレージ機能の提供をはじめています。

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2. 非開発者にとっての体験

Newtでは、プロダクトの軸足を「開発者にとっての体験の良さ」におきつつも、コードを書かない非開発者であってもアイデアと想像力をもってコンテンツ作成やWebサイト制作を行なっていただけるような「非開発者にとっての体験の良さ」を追求したサービス開発を進めていきたいと思っています。

多くのヘッドレスCMSは、開発者をメインターゲットと捉えているためかデザインや文言が開発者向けとなっていて、非開発者にとっては理解しづらいのではないかと感じています。しかし、コンテンツ管理は開発者だけで行うものではありません。Newtでは、非開発者の人であっても直感的に理解でき、親近感を持ってコンテンツ管理を行っていただけるような工夫をしています。

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また、ヘッドレスCMS最大の弱点とも言えるのが、開発者なしでは使い始めることができないという点です。Newtでは、Appテンプレートと組み合わせて利用可能なスターターを活用することで、コンテンツのモデリングやフロントエンドのコーディングを行わずに数分でサイトを立ち上げ、コンテンツ管理を開始することができます。

今後は、このような非開発者向けの機能をさらに拡充していくことで、ノーコード/ローコードでWebサイトが構築できる世界観を実現していきたいと考えています。

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3. ひとつのスペースにコンテンツとメンバーを集約

チームでCMSを活用する際に陥りがちなのは、CMSを使う用途(プロジェクト)や関係者の違いなどによって、それぞれのプロジェクトで異なるCMSが採用され、チーム内のコンテンツやメンバーが散り散りになってしまう状況です。

このような状況は、チーム内での情報共有や効率的なコンテンツ管理を阻害するだけでなく、メンバー同士のコラボレーションや偶発的なアイデア創出が行われなくなってしまうという問題にも繋がります。

Newtでは、1つのスペースのなかに、Appというコンテンツ管理のユニットを必要に応じて何個でも追加することができます。スペースに参加しているメンバーは、Slackチャンネルのように自分に関係のあるAppにだけ参加してコンテンツ管理を行うことができ、役目が終われば退出することもできます。

Newtを使うことで、「チームへのCMS導入」という不規則的に発生するイベントに対して、1つのスペースにAppを追加していくスタイルをとることによって、コンテンツやその関係者(メンバー)を1つのスペースへと集約させていくことができます。これは、チーム内での情報共有や効率的なコンテンツ管理を実現するだけでなく、メンバー同士のコラボレーションや偶発的なアイデア創出を促すことにも繋がります。

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4. SaaS型でメンテナンスフリー

WordPressのようなOSSを利用する際に、いつも頭を悩ませられるのは「終わりのないバージョンアップ問題」です。ソフトウェアに脆弱性が見つかったり機能アップデートが加わるたびに、ユーザー自身がバージョンアップ作業を行う必要があります。また、ユーザーにはソフトウェアを動かすためのサーバーやデータベースを用意し、それらを安定的に運用することも求められます。

SaaSの良いところは、そうしたソフトウェアの管理コストをユーザーが直接支払う必要がないことにあります。SaaSは、WordPressが登場した時には存在しなかった考え方ですが、その後の人類を大きく進歩させた偉大な発明だと言えます。

Newtは、SaaSとしてサービスを提供することで、ユーザーの皆さんがやるべきことに集中できる環境を提供していきます。

5. 透明性へのアプローチ

Newtは、ユーザーの皆さんに安心して納得感のある形でサービスを利用していただくために、透明性へのアプローチを積極的に行っていきたいと考えています。

SaaSには、良くも悪くも「ブラックボックス化」が起きやすいという側面があります。これはSaaSの特性上、サービスが内部でどんな技術を使っていて、データをどこに保存し、何にコストがかかっているのか... といったようなことが、ユーザー側からは見えにくい構造になっているためです。

そして、この「ブラックボックス化」をある種悪用する形で、自サービスの利益のために、データの囲い込みやアンフェアなプライシングが行われることもあります。私達は、私たち自身の利益を大切にしながらも透明性へのアプローチを続けていくことにより、NewtとNewtのユーザーの双方に納得感のある形でサービスを提供していきたいと考えています。

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日本から世界に “次のWordPress” を生み出す

もしWordPressがこの世に存在しなかったら、私たちNewtはここに存在しません。

個人的な話ですが、私がテクノロジーの世界に入ったきっかけは、まだプログラミングの知識がなかった学生時代に、WordPressを使ってはじめて自分のウェブサイトを作ったことでした。当時は「知識のない自分でもこんなサイトが作れるのか!」と感動しましたし「これを使って他に何ができるだろう..?」と想像力を掻き立てられたものです。この時に感じた、何か力を与えられたようなワクワクする感覚は今でも鮮明に覚えています。そして、いつの日か自分もテクノロジーを使って他の誰かを喜ばせたり、勇気づけたりできる存在になりたいと考えるようになりました。

それから約10年が経ち、今、私はWordPressの次を生み出すことを目標に掲げ、Newtという新たなプロダクトを作っています。WordPressは世界で最も成功したソフトウェアの一つです。そんなWordPressの次を担うプロダクトを、日本から生み出そうとしています。

私はふとした時、自分が日常的に使っているWebサービスや開発のためのツール、プログラミング言語からライブラリに至るまで、そのほぼ全てが日本国外で作られたものであることに、悔しさに近い感情が込み上げてくることがあります。そして同時に、それをさも当然のことであるかのように受け止め、それらを一方的に使っているだけの自分の存在にも気づかされるのです。

世界には、英語圏以外の国で開発されていながらも世界中で広く利用されているWebサービスが沢山あります。しかし、日本発のサービスで世界中で使われているものはほとんどありません。何故でしょうか?確かな答えは分かりませんが、案外私達自身が「そういったサービスを日本から生み出すことはできない」と勝手に思い込んでしまっていただけなのかもしれません。

私たちNewtは、特別な経験やコネクションを持ったチームではありませんが、プロダクトを作ることに対するこだわりや情熱を持っています。そして、最高のプロダクトは言語や国境の壁を越えられると信じています。私達は最高のプロダクトを作ることで、この大きな目標を達成したいと思っています。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この場を通して、私たちの考え方について少しでも知っていただくことができたのなら幸いです。もし意見や感想などをお持ちでしたら、是非 info@newt.so までお寄せいただければと思います🙂

私たちは、創業してからの約1年間をNewtというプロダクトを作ることだけに費やしてきました。この1年という期間を長いと考えるか短いと考えるかは人それぞれだと思いますが、この期間のなかでチーム、個人としての不安や葛藤がなかったわけではありません。だからこそ、本日2022年3月8日にこうして新しいプロダクトを世に送り出すことができたということは、私たちにとって本当に嬉しい出来事なのです。

私たちは、まだまだ小さな一歩を踏み出したにすぎません。プロダクトも理想からは程遠いところにあります。私たちはこれからも、私たち自身が心から愛せるプロダクトをつくり、それを私たち以外のだれかに愛して使ってもらうために、作り続けていきたいと思います。

Newt Made in Newt